「そんなに薄着じゃないのに手足が冷えてつらい」
「身体が冷えて夜眠れない」
特に女性に多い、「冷え」についての困りごと。
病気ではないからと、特に対策せずそのままにしている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、身体も心もごきげんな毎日を過ごしたいと思いませんか?
冷えについての悩みを抱えている人のために、身体を温めるための「温活」の方法や、おすすめの温活グッズを紹介します。
まずは、自分の身体がどんな状態にあるか知りたいですよね。
温活の第一歩は、自分の平熱を知ることなんです。
自分の平熱、あなたは知っていますか?
現代人の平熱は下がっている?!
現代の私たちの平熱は、50年ほど前の人に比べて低下しているという調査があり、0.5〜1.0℃ほど低い傾向があるそうです。
「35℃台です」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ体温が低いだけならば問題がないようにも思えますが、平熱が低いと様々な問題を招くといわれています。
その問題として代表的なものが「冷え症」。
体温が35度台の場合、病気になるリスクが高くなるという説もあります。
現代人の体温が低くなった主な原因は、筋力の低下やストレス、エアコンの普及による体温調節機能の低下などだと考えられています。
理想の平熱は36.5度〜37度といわれていて、新陳代謝が活発になり、心身ともに整い健康的な生活を送ることができるとされています。
理想の平熱に近づけるためにも、平熱の温度を上げる「温活」に取り組むことが重要です。
温活とはなにか?
「温活」とは、身体を温めるための活動、健康を維持するために必要な体温にするための活動を指すといわれています。
また、身体を温めて体調不良を解消したい方が取り組むものと捉えられています。
こうした方の慢性的な不調の原因として隠れているのが、「冷え」。
特に、女性の身体と「冷え」は、密接な関係にあるといわれています。
「冷え」は万病の元?!
「冷えは万病の元」という古くからの言葉があるように、体のあらゆる不調には「冷え」が関わっているといわれてきました。
冷えによるむくみ、生理不順、不妊、めまい、肩こり、腰痛、頭痛など…
我慢できないほどではないけれど、毎日がちょっと憂鬱になってしまうような、さまざまな症状があらわれます。
冷えがもたらす影響を知り、温活に取り組むことで、健康的な日々を送ることができます。
免疫力の低下
冷えによる不調のひとつが、免疫力の低下です。
体内に入ったウイルスなどの異物を攻撃するリンパ球は、体温が高いと活性化する仕組みですが、体温が低いとこの働きが弱まります。
免疫力が下がると、風邪やインフルエンザといった感染症にかかりやすくなり、体にも心にも悪影響です。
東洋医学では、胃腸が免疫力に深くかかわる臓器だと考えられていて、胃腸が冷えることで免疫力が低下してしまうといわれています。
基礎代謝の低下
さまざまな不調を引き起こす「冷え」に直結するのが、基礎代謝の低下です。
基礎代謝とは、生命維持に最低限必要なエネルギーのこと。
基礎代謝が低下すると体温が低くなり、「冷え」によるさまざまな不調、いわゆる「冷え症」が起きやすくなります。
「冷え症」の悩みは、特に女性が多く抱えていると考えられています。
特に注意したいのが、お腹まわりの冷え。
下腹部には、子宮や卵巣など女性にとって大切な臓器がありますね。
普段は冷えが気にならなくても、月経前だけ強い冷えや冷えによる痛みを感じる方もいるようです。
お腹まわりをあたためたら月経痛が和らいだことはありませんか?
「冷え症」は病気ではありませんが、生理不順や排卵障害、受精卵の着床がうまくいかないなど不妊の原因になることもあるといわれています。
ひとつご紹介したいのが、東洋医学にある「未病」という言葉。
「未病」とは、病気ではないし検査でも異常はないけれど、不調を感じるような状態を放置しておくことで、さまざまな病気につながると考えられています。
「冷え症」は「未病」の最たるものとされています。
温活をして、「冷え症」の体質を改善するのは、東洋医学の「未病」に基づく考え方だといえるでしょう。
ここまで冷えがもたらす症状や、冷えの原因となる基礎代謝の低下についてお話しました。
「冷えは万病の元」ということが改めてお分かりいただけたでしょうか。
冷え性を改善したい方も、今は特に不調を感じていない方も、改めて自分の体に向き合うきっかけになると嬉しいです。
ここからは、温活をはじめるうえで知っておいていただきたい、「頭寒足熱」という考え方をご紹介します。
「頭寒足熱」の考え方
「頭寒足熱」とは、足元を温めて上半身を涼しくすること。
人間の体は、上半身の方が体温が高く、下半身の方が5℃ほど低いといわれています。
特に足元は身体の中で最も心臓から遠く、どうしても冷えて血流が悪くなりがち。
そのため、下半身を温めて、全身の血の巡りを良くさせることが大切という考え方です。
「冷え」があると血液の流れが悪くなり、血行不良の原因となります。
すると体全体の細胞に必要なだけの酸素や栄養分が供給されず、老廃物や疲労物質を運び去ることが難しくなります。
だから、温活をはじめるなら「頭寒足熱」を心がけることがとても大切。
「でも、具体的に温活って何をしたらいいんだろう?」という方へ。
普段の暮らしの中で取り入れやすい温活について、次の章でご紹介します。
温活って何をすればいいの?
温活には、大きく2つの方法があります。
ひとつは、身体を冷えから守ること。
もうひとつは、体温を上げること。
それぞれの温活の方法について詳しくご紹介しますが、温活を始めるにあたって何よりも大切なのは、今の自分を知ること。
温活をはじめる前に自分の体温を測ってみたら、新しい気づきがあるかもしれません。
自分の平熱を計測しよう
自分の平熱を知るために、基礎体温を測りましょう。
基礎体温とは、生命維持のために、必要最低限のエネルギーしか消費していない時の体温のこと。
朝目覚めた後すぐに、体を起こさない状態のまま、専用の婦人科体温計を使って舌の下の温度をはかります。
理想の平熱は36.5〜37℃とお伝えしましたね。
一般的に、基礎体温が36℃未満だと低体温の可能性があるといわれています。
基礎体温が低いと酸素や栄養が全身に行き渡らなくなり、冷えの症状が出たり、消化不良や疲れやすいといった不調が起こりやすくなります。
まずは自分の基礎体温が低めかどうか、数日測って確かめてみましょう。
また、女性は2-3か月継続して測ることで、身体のバイオリズムも分かってきます。
女性の身体は排卵によるホルモンバランスの変化に合わせて、排卵後は少しだけ基礎体温が上がります。
基礎体温を継続して測っていると、低温期と高温期を把握できるようになり、生理や排卵のタイミングが大まかに分かるようになるのです。
高温期のはずなのに基礎体温がいつもより低い、高温期の期間が短い、という時は卵巣の働きが低下して排卵に影響が出ることも。
基礎体温を測ることで、いち早く身体の不調に気づけたり、温活に力を入れるべきタイミングが分かったりするんですね。
朝のたった5分が自分の身体を知る一歩になるなら、測ってみたいとおもいませんか?
ここからは、基礎体温の上昇に役立つ習慣について、具体的に紹介していきます。
冷やさない
まずは、身体を冷やさないことを心がけて。
上半身と下半身の温度差がなくすため、下半身を重点的にあたためる「頭寒足熱」を心がけましょう。
普段の暮らしに取り入れやすいアイテムを使うと、自然と温活習慣が身に付きますよ。
1.足元を冷やさない
元々、下半身の方が冷えやすいつくりをしている人間の身体。
心臓から最も遠い足元を冷やさないように、冷えとり靴下を履くのがおすすめです。
冷えとり靴下とは、シルクと天然繊維の靴下を交互に重ねて履く靴下のこと。
基本は4枚重ねて履き、体調の変化に合わせて履く枚数を調整します。
多くの冷えとり靴下は、シルクと綿の靴下の重ね履きが一般的。
ですが、天然素材の温活アイテム専門店「くらしきぬ」では、シルクとウールの重ね履きをおすすめしています。
綿は繊維全体で水分を吸収するため、表面が湿った状態になると乾きづらく、その湿気で逆に汗冷えを起こしてしまうことも。
対してウールは、綿よりも保温性・放湿性が高いので、あたたかいのに蒸れません。
一度湿っても汗などの水分を発散して、肌にふれる部分はベタベタせず快適に過ごすことが出来ます。
シルクとウールを交互に重ねることで空気の層ができ、ぽかぽかとあたたかい足元に。
4枚重ねて履いても締め付けは少なく、一日中ストレスなく過ごすことができます。
カラーバリエーションも豊富だからうれしい。
好きな色をいくつか揃えたら、温活タイムが楽しくなりそうです。
2.おなかとおしりを冷やさない
子宮や卵巣など、女性にとって大切な臓器がたくさん集まるお腹まわり。
「自分では寒いと感じていないのに、お腹まわりを触ったら冷たくて驚いた」という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方には、くらしきぬで長年愛されてきた「はらぱん(腹巻パンツ)」をおすすめします。
お腹だけでなく、冷えやすいお尻まわりをすっぽり包み込み、内臓冷えを防いでくれます。
これ一枚で、おなかもおしりも同時にあたためることができるんです。
多くの腹巻パンツは綿(コットン)が使われていますが、はらぱんはシルクとウールの組み合わせ。
あたたかいのはもちろん、ちくちくしにくいなめらかな肌ざわりで、保温性に優れています。
とてもよく伸びるため、様々な体型の方の身体にやさしくフィットしますよ。
はらぱんは4つの丈から選べます。
おなかとお尻を手軽にあたためられる「ショートタイプ」、
膝丈のボトムスに合わせやすい「ハーフタイプ(ひざ丈)」、
足首まで包み込んでくれる安心の「ロングタイプ(9分丈)」。
高身長の方や男性でも安心の「12分丈タイプ」。
冷え具合やファッションに合わせて選んでくださいね。
体温が1℃上がると、基礎代謝量は10%以上も上がるといわれています。
まずは内臓を冷やさないことを心がけて、少しずつ基礎代謝の高い身体を目指しましょう。
※「はらぱん」は、くらしきぬの登録商標です。
3.空調は身体を冷やさない温度に
「冷え」に注意した方がいいのは、冬だけではありません。
冷房が効いた室内で過ごすことが多い夏や、朝と夜の寒暖差が激しい秋口など、一年中気を配る必要があります。
自宅なら自分にとって丁度良い温度に調整することができますが、オフィスなど自分で気温を調整できないですよね。
カーディガンやストールなど、体温調節ができるアイテムを用意しておくと安心です。
体温を上げる
1.入浴・半身浴
「手足が冷えて眠れない」「なんだか疲れが取れない」
そんな悩みを抱えながら、一日の締めくくりをシャワーだけで済ませていませんか?
実は、とってももったいない習慣。
おうちで今晩からでも始められる温活といえば、湯船に浸かること。
簡単に下半身をあたためて、頭寒足熱の状態になれるんです。
ポイントは、38~40℃のお湯に20分程度浸かること。
湯船に10分浸かることで体温は1度上がるともいわれています。
半身浴の場合は、もう1~2℃ぬるめに、お湯の量はみぞおちの下までにしましょう。
お湯が熱すぎると身体がびっくりしてしまいますよね。
ぬるめのお湯にゆったり入浴することで副交感神経が優位になり、身体も心もリラックスできるんです。
自律神経をコントロールして副交感神経を優位にすることで、眠りにつきやすくなりますよ。
▼効果的な半身浴の方法などについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
関連記事|今日からはじめられる温活《半身浴》
お風呂から上がった後は、下半身が冷めてしまわないよう、天然繊維の冷えとり靴下で保温することも大切です。
湯船で身体をあたためてくれるエプソムソルトや、冷えとり靴下を取り入れれば、お風呂での温活タイムがさらに充実するかもしれません。
2.白湯・温かい飲み物
温活に欠かせない、白湯。
入浴や半身浴が外側からのアプローチだとすれば、白湯は内側からのアプローチにあたります。
そもそも白湯とは、
白湯(さゆ)は、飲むことを目的とし、湯をぬるく冷ました物。湯冷まし(ゆざまし)とも呼ばれる。
いったん沸騰させた湯をぬるく冷ましたもの。沸騰させることによりカルキなどの不純物がとび、口当たりも柔らかくなる。
wikipediaより
白湯をゆっくり飲むだけで、身体の内側からじんわりと温まります。
朝ごはんを食べる前や、寝る前に飲むのが特におすすめ。
白湯を飲むことで、以下のような効果があるとされています。
1)血液の循環がよくなり、脂肪を燃焼しやすくする
2)内臓の機能が活発化することで、老廃物を排出しやすくなる
3)飲むことにより内臓が温められ、疲労回復する
4)尿量が増え、余分な水分を排出する
5)時間をかけて摂取することで体全体に水分が行き届く
内臓があたたまり、血の巡りもよくなって、良いことづくめですね。
温活にもってこいな白湯ですが、ただ沸騰させたお湯を飲めばいい、というわけでもないんです。
▼詳しい作り方や効果的な飲み方について知りたい方は、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
関連記事|冷え対策だけじゃない!改めて知る白湯の絶大なるパワー
白湯以外のものを飲むときも、なるべくあたたかいものや常温のものを選ぶよう心がけましょう。
冷たい飲み物は内臓を一気に冷やしてしまうため、温活から遠ざかってしまいますよ。
3.運動で筋肉量を増やす
入浴やあたたかい飲み物など、ここまで紹介したのはどちらかというと一時的な体温上昇に特に効果的な温活。
恒常的に基礎体温を上げるために欠かせないのは、「筋肉」です。
筋肉には、体を動かすだけでなく、熱を生み出して体温を上げる力があります。
寒い時、身体が勝手にぶるぶると震えますよね。
これは筋肉を動かす過程で熱を発生させ、体温を上げようとしているからなんです。
身体の熱を生み出す「熱産生」のおよそ4割は、筋肉が担っているとされています。
筋肉の量が多い人ほど熱を生み出す力が増えるわけですから、基礎体温も常に高い状態が保たれます。
逆に、筋肉量が減ると低体温を招いてしまいます。
低体温の最大の要因は、運動不足による「筋肉量の低下」と考えられているんです。
筋肉量を増やして基礎体温を上げるには、日々の運動習慣がとても大切。
でも、その習慣がない人にとっては、ジムに行ったりランニングしたりするのはなかなかハードルが高いですよね。
エレベーターではなく階段を使ったり、散歩をしたり、通勤通学で1駅分歩いてみたり、普段の暮らしの中でできそうなところから始めてみましょう。
単なるダイエットではなく、筋肉量を増やして体温を上げることで根本的な体質改善につながると考えると、頑張れるかもしれません。
また、運動でリフレッシュすることで、ストレスによる低体温を防ぐこともできます。
身体に強いストレスがかかると、「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されます。
コルチゾールには、体内に貯蔵されているエネルギー源を利用しようとする働きがあるため、筋肉の分解が進み、低体温を招いてしまいます。
適度な運動を心がけて、身体も心も健やかな状態を目指しましょう。
おわりに
ここまで、日々の生活で無理なく取り入れられる温活の方法についていくつかご紹介しました。
何かひとつでも自分のルーティーンに取り入れると、温活への意識も高まりますよ。
大切なのは、続けること。
小さなことでも続けることで自然と冷えにくい身体に近づき、冷えによって起きていた不調も解消されていくはず。
健やかな身体でいきいきと活動している人って、傍目から見ても美しいですよね。
心と身体の健康を手に入れるための温活を、さっそく今日から取り入れてみませんか?